【検証シリーズ】「ももクロオールスターズ2012」の元ネタを検証する

 ここんとこ「Perfume『JPN』ツアー参戦が終わるまでPerfume以外の曲は聴かない縛り」を自分に課していたので、まー世間から音楽の話題に遅れた遅れた。もともと音楽に関してそれほど幅広く聴く人間ではないのでいいっちゃいいんですが。

 んで、最近一番聞いてるのがももクロ★オールスターズ2012」横浜アリーナ会場限定アルバムですが、僕は通販で入手したので聞き始めたのが遅いです(通販で買える時点で限定ではない気もしますが)。14曲入りで7曲インストなのでほぼこの7曲を無限ループして聴いております。
 七番勝負本も買ったよ
 んで、思ったのが「このCDの曲、子供や若者、最近ファンになった方に伝わってるんだろうか…」ということでして。通常の流通経路に乗らない企画モノCDだけに割と「好き勝手」感に溢れており、「ついてこられない奴は置いてくぞ」感がいつにも増して強いのですね。そこで!おっさんにして新古参モノノフのこの私が!このCDの1曲1曲を詳細に検証してみよう!と、今回はそういう企画です。どうぞよしなに。(※「新古参」は一応Zがつく以前から応援していた、という意味で僕が勝手に作った造語ですので本モノノフの皆様怒らないでくださいね)

M1:渚のラララ
 かなこソロ曲。withザ・ワイルドワンズ…ってさすがに俺も世代じゃねぇ!グループサウンズですからね。スパイダーズとかタイガースとかまぁそのへんのくくりですよ。最近は加山雄三とセットでしか見ませんね。
 80年代ネタの多いももクロですが、一気に60年代まで遡るとは思いませんでした。現在の正式なグループ名は「加瀬邦彦ザ・ワイルドワンズ」、リーダー加瀬邦彦(かせ くにひこ)はワイルドワンズの曲以外にも、沢田研二TOKIO」「危険なふたり」などの作曲で有名ですが、「超電子バイオマン」の主題歌とエンディング曲「バイオミック・ソルジャー」の作曲もしておりますね。「バイオミック・ソルジャー」と「バイオニック・チェリー」…似てる!ほら、ね!つながったでしょ(夏菜子ばりにドヤ顔)
 ちなみにタイトル『渚のラララ』はワイルドワンズの代表曲『思い出の渚』とかけたものと思われます。中島らもがエッセイに書いてましたが最近のライブでは「僕たちは『思い出の渚』これ一曲で消えたバンドです。だから今日もこの曲がどこで出てくるか、そこらへんが注目点となってるわけですねぇ」と自虐ネタMCをかますそうです。

M2:涙目のアリス
 しおりんソロ曲。作詞松井五郎・作曲林哲司、80年代の音楽業界をド真ん中で支えたと言ってもいい超大御所です。正直このような企画モノCDの1曲をやらせるのが申し訳ないほどのビッグネームです。
 イントロはオフコース『YES-NO」風、サビは聖子ちゃん風。タイトルは松田聖子時間の国のアリス』としおりんの泣き虫キャラを合わせたものでしょう。
 安定感と引き換えに若干キャラのあいまいさも感じさせるしおりんには、『愛ですか?』しかりこういう王道なアイドル曲がよく似合いますね。

M3:あーりんは反抗期!
 あーりんソロ曲。満を持してヒャダインこと前山田健一氏登場です。この人はパロディを最初っから意識して作るので元ネタがわかりやすい。
 これは90年代〜2000年代初頭にかけてのバリバリのTKサウンド、曲名もずばり言っちゃいましょう、『EZ DO DANCE』です!ラップ部分は前山田氏お得意のボコーダーを使っての変声でしょうが、見事に「呪いのお面」ことDJ KOO声を再現しております。
 すでにこのようなマッシュアップまでw
 詞の方は箱入りあーりんだよぉを前面に押し出したものですが、あーりんソロ曲は「成長期なの14歳」とか「私も高一」とか来年どうすんのって曲多いですよね(笑)

M4:教育
 ももかソロ曲。七番勝負EP.2で対決し、楽曲提供の約束を取り付けた在日ファンクとの共演です。
 くだんの七番勝負ではももかが「熟年離婚」などの言葉を知らずに(知らんでいいと思いますがw)自分の無知ぶりに涙する場面があったそうです。ももかの生真面目っぷりが伺えるエピソードですね。そこらへんの文・芸の両道っぷりを詞に盛り込んだ内容になっているわけですね。
 曲調は前ソロ『ありがとうのプレゼント』から大きく離れたブラックファンクでももかのハスキーボイスによく合ってます。
 ちなみに在日ファンクって人達、何を隠そう僕知りませんでしたコソッ EGO-WRAPPIN'やSuperflyのサポートも務める実力派なんですね。最新シングル「爆弾こわい」では岡村靖幸REMIXバージョンもあるそうで、これは聴きたい。

M5:津軽半島龍飛崎
 れにちゃんソロ曲。暴れ鬼太鼓をさらに強化したようなド演歌です。作曲陣は演歌界でもそれほど名の知れた方ではないっぽい(失礼)ですね。i-tunesに入れるとなぜか曲名が『津軽“海峡”龍飛崎』と表示されたり(自分が見た時は修正されていましたw)、歌詞カードの作曲者田尾将実が将“見”と誤植されてたり、のちに出てくる楽曲で「事務所に推されたい」と訴えるのもわかるズサンさに苦笑してしまいます。
拾い物画像
 元ネタはもちろん『津軽海峡冬景色』でしょう。「きらめく稲妻」などれにちゃんキーワードは入っていることからかなり大雑把にイメージだけ伝えたんだろうな…感をありありと感じます。

M6:シングルベットはせまいのです
 ももたまい(百田・玉井の仲良しコンビ)によるデュエット曲。掛け合い形式のゆるゆるラップ調で、ハルカリ星井七瀬の「恋愛15シミュレーション」あたりを彷彿とさせます。
 メンバー人数分の部屋があってもわざわざかなことの相部屋にする、というファンにはおなじみのしおりん甘えん坊エピソードをそのまま曲にしたという、付き合いの長い前山田氏ならではの楽曲。このネタだけで一曲作れてしまうとこはさすがです。
 曲中では「玉井」と呼んでますが普段は「しおり」と下の名前で呼んでるとこ以外はほぼドキュメントですね。合い間に入っている素のおしゃべりは曲収録中に喋ってたものを録音してそのまま使ったんだそうで。このゆるさがたまりませんねw

M7:事務所にもっと推され隊
 事務所に推され隊(ももか&れに)によるキラーソング。「立ち位置いつも端っこ後ろ」とか「ソロのパートもPVで映ってない」など、緑&紫推しの憤りをそのまま曲にしたような楽曲(苦笑)これも当然前山田ワークス。
 そういえばZ以前はもっと各メンバー公平に推されてた気もします。ヤングジャンプの表紙(モーレツ衣装のやつ)なんかほぼ夏菜子ソロでしたもんね。逆に言うとこういう不満を曲の中でネタに昇華できるというのは、それほど本人達気にしてない上に事務所でもそれほど問題視されてないということなんでしょう。どこのグループとは言いませんが若い入りたての子を次世代エースとしてゴリ推ししてる某グループの揶揄にもなっているような気がするのは大人の下衆な勘繰りです(多分)。
 タイトルとコンビ名はおにゃん子クラブ内の「後ろゆびさされ組」「後ろ髪ひかれ隊」、AKB48の「渡り廊下走り隊」などの秋元康センスをもじったものですね。やはり揶揄なんじゃ(ry

 以上だんだん最後の方やっつけになってきましたが長くなったのでこのへんで。このCDもプレミア付くのかなぁ…。ももクリ(きみゆきとか入ってるやつ)なんて今オクで新品5万近くしますもんね。2,500円と結構値段しますがご購入の決断はお早めに。

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PS:前回予告した「Perfume海外進出に物申したい」がなかなかまとまんないので保留しときます。大好きなものの問題点を指摘するのは褒め称えるより数倍難しいですね。