ももいろクローバーに見た「ミライ」

 「明日更新する」の予告はいったい何だったんだ…。

 いや、違うんですよ。確かに一回書いたんですよ。でね、一応こんなブログでも推敲ってもんをするわけですよ。
 そしたらね。「こんなことはwiki見ればいいな…」とか「いや違う、今は状況が変わった」などと改編していって、その間にももクロを取り巻く現状は刻一刻と変化し、もうネタとして古くなってる、という。それだけももクロの進化は加速度を増しているってことなんですよ。

 言い訳終わり。こんばんはまんちいです。

 SPEED→モーニング娘。Perfumeといわゆる正統派アイドルファン道を突き進んできた私。Perfumeをアイドル枠に入れるかどうかは意見の分かれるところでしょうがそこらへんのアレは置いといて。

 AKB48にはなぜかそれほどはまってません。いやかわいいコはいるとは思うんですよ。でも何かバックについてる大人の計算が見え隠れしてですね、ひっかかるものかという抵抗感があったんですね。今はそういう偏見もだいぶ薄れましたけど。

 しかしまぁ女性グループアイドル花盛りですな。雛形を作ったモー娘、それを商売として究極の域にまで高めたAKBの成功があって、各芸能事務所に1組はアイドルグループを抱えてるような状態です。

 そこで出てきたのがももいろクローバーですよ。6人組のアイドルグループで、大手事務所「スターダストプロモーション」に所属しています。竹内結子柴咲コウ北川景子本仮屋ユイカなど俳優女優の育成に定評のある事務所で、歌手・アイドルはそれほど強くありません。そういう意味でももクロは事務所内では「異端」の存在と言えるでしょう。

 最初はこんな感じの↓

 普通の美少女6人組ユニットで、まぁ女優への足がかり的な、悪く言えば腰かけ的な、上戸彩で言うところのZ-1的なグループかな、と僕も思っていたですよ。
 ところが!彼女たち自身は僕が思ってたよりも遥かに「本気」でした。「普通のアイドルならまずやらないことをやろう」というコンセプトの元、路上ライブなどを積み重ね、幾多のメンバーチェンジを繰り返しつつ、去年の5月に遂にメジャーデビュー(この時に現在のメンバーが固まりました)。そのデビュー曲『行くぜっ!怪盗少女』という楽曲、これで化けましたね。僕の中で。そしておそらくは多くのアイドルファンの中で。

 まずはこの動画を見てくれ↓

 アイドル批評界でもトップランカーに立つライムスター宇多丸氏をして「2010年No.1アイドルソング」にも選ばれたこの楽曲。アクロバットをまじえた激しい振り付け・コスプレっぽい派手な衣装・自己紹介も兼ねたテクニカルな歌詞・ニコニコ動画で高い支持を集める「ヒャダイン」氏による耳障りのいい曲調。そして成し得たデビュー曲にしてオリコンデイリーチャート1位という快挙。
 その後リリースされた「ココ☆ナツ」「ミライボウル」なども基本的には王道アイドルポップでありながらラップや各々のキャラクター性を生かした聞き飽きない楽曲で、昨年のクリスマスには日本青年館での単独ライブを成功させ、つい先ごろは神聖かまってちゃんとの異色対バンを決行し、純粋な音楽ファンからも徐々に評価が高まってきています。ファンの数も日を追うごとに増え、ラジオや地上波テレビでの露出も目立ってきています。

 僕なりにももクロの魅力を端的に表しますと先ほども使った「本気」という言葉、これに尽きます。とにかく一切の妥協・手抜きがない。ももクロはメンバーの体格や運動能力に個々人けっこう差のあるグループなのですが、例えば「高く足を上げる」振り付けがあると、普通グループなら低い人に合わせて揃え統一感を出すものですが、ももクロの場合それぞれ限界の位置まで足を上げるわけです。あえて全力を出し個性をぶつかり合わせるわけですね。フリーペーパー「STUDIO VOICEももクロ特集号におけるインタビューでは「1日3本のライブがあったら70%の力で3本乗り切るのではなく、その後ぶっ倒れてもいいから1本目から120%の力を出す(一部抜粋・要約)」という発言をしています。ストイックですね。江頭2:50の「俺も見てる人もいつ死ぬかわからない。そいつが最後に見た江頭が手抜きの江頭だったら申し訳ないだろ?」という言葉に通じるものがあります。アイドル界のガットゥーゾと例えてもよいでしょう。例えすぎてかえってわけわからなくなりましたが。

 SPEEDからつんくが着想を得てモーニング娘。で確立した「売れるアイドル」を作るためのメソッドもそろそろ1周して原点に帰る時が来ているんじゃないかな、とか思うのです。時代の流行や気運を一歩先読みしてそこへピンポイントで需要に合ったコンテンツを投げ込む秋元康つんくの才覚はすばらしいし、それを批判する気も毛頭ないわけですが、売れるかどうかはさておき、ど真ん中の「面白そうなこと」をストレートに、しかも極めてマジメに取り組むももクロの姿は、アイドルという形として一見古めかしいものに見えて実はそれが現時点における最先端なんじゃないかな、などと勝手に分析をしているのです。

 Perfumeが「カエラ事変」により突然の化学変化を起こし大爆発をしたように、ももいろクローバーも少しのきっかけで大ブレイクする可能性のあるグループである、とここに断言しておきましょう。一部のアイドルマニア向けではなく、かつてのモー娘のように国民的な支持を得た真のスターへと駆け上がる可能性のあるグループであると。4年前にPerfumeが起こした奇跡を、これからのももクロの「ミライ」とつい重ねてしまうのです。当面の彼女たちの目標でもある年末の「紅白歌合戦」の出演者発表が今から楽しみです。


追記→文中でPerfumeについても触れていますが、ツイッター上ではももクロPerfumeの相似点について深淵な分析がなされています。さらにメンバーの一人あかりんこと早見あかりの突然の脱退についても。本当は今回の更新でそこらへんの話もしたかったのですが、無駄に長くなった(いつものこと)なのでまた次回ということで。興味なくてもやるよ!やらいでか